週末FPのRiki × お金・育児・医療のお話

平日はサラリーマン、週末はファイナンシャルプランナー。お金・育児・医療のネタを中心にお話したいと思います。少しでもためになれば幸いです。

習い事より大事な非認知スキルとは?子どもを成功者にしたいなら。

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小さいうちから習い事をたくさんしている家庭を見て「うちも何かしなくて大丈夫かな」と心配する両親は多いと思います。

読み書き計算、英語などの習い事は目に見えて成果がでるので、親も焦るでしょう。

しかしこのような知的教育の効果についてはよく考える必要があります。

近年の教育経済学では、知的教育ではなく「非認知スキル」を伸ばした方が社会的に成功するという事が明らかになってきたからです。

今回は非認知スキルの重要性についてご紹介します。

 

 

非認知スキルとは?

非認知スキルとは、知識が豊富・テストで高得点を取るといった学力・知力とは別の数値化できない能力や資質のことをいいます。

例えば、「やり抜く力」「協調性」「自制心」などが非認知スキルとして該当します。

他にも「忍耐力」「計画性」「自己肯定感」など様々なスキルがあります。 

 

IQが高く、テストでよい点が取れる子どもであったとしても、ちょっとした挫折ですぐに心が折れてしまったり、協調性が著しく低いと、社会で成果を出すことは難しいでしょう。

習い事や塾など知的教育を重視した教育が推進される一方で、非認知スキルの大切さが叫ばれ始めています。

 

知的教育よりも非認知スキルが注目される理由

まだ幼稚園なのに漢字が書ける、足し算・引き算ができる、英語が書ける。

他所の子どもを見て、「自分の子どもにも習い事をさせた方がよいのでは?」と悩む方もいるでしょう。

 

確かに幼少期は知識の吸収が早く、早期教育によって一時的に知力は高くなります。

早期教育を受けなかった子どもと比較して、知力の差が出るのは当然です。

しかし、年齢が上がるにつれてこの差はどんどん小さくなることが分かっています。

一般的に脳の成長は8歳まで完成するといわれており、8歳くらいにはほとんどが差がなくなってしまうようです。

 

早期教育の効果は一時的なものですが、非認知スキルの効果は将来にわたって継続します。

子どもが社会で成功する上では非認知スキルが重要だということが研究によって分かり、注目を集め始めています。

 

非認知スキルの重要性を示した実験

非認知スキルが注目を浴びるようになった有名な実験として「ペリー就学前プロジェクト」があります。

低所得のアフリカ系アメリカ人の家庭を対象にして行われた実験です。

子どもは3,4歳から毎日、平日午前中に幼稚園に行き、親に対しても週に1度の家庭訪問を行います。

そして、この実験に参加した群としなかった群に分けて、その後40年間に渡って追跡調査するというものです。

 

結果は以下の通りです。

  • IQの上昇は実験に参加した群としなかった群で最初数年は差が見られたが、8歳になる頃にはほとんど差がなくなった。
  • 40歳時点において、実験に参加した群のほうが学歴や収入が高かった。

この研究から分かることは「実験対象者の人生に差を生じさせたのはIQの差ではなく非認知スキルの差だ」という事です。

つまり、就学前に幼児教育に触れて社会性を学び、家庭環境の強化をしたことが、子どもの「自制心」や「協調性」などの非認知スキルを高めたという事です。

 

非認知スキルが身についている子どもは後で伸びる

非認知スキルは学力・知力などとも密接に関わっています。

例えば、小学校・中学校と進学するにつれ、算数や数学の公式を覚えたり、英語の文法を覚えたり、一定の学力が求められるようになります。

しかし、学力だけでは十分ではなく、実際には問題を理解できるまで取り組む粘り強さや、友達と教え合ったりする協調性などの非認知スキルの支えが必要となります。

特に受験勉強などでは、遊びたい衝動を抑えて勉強を継続するために自制心や受験当日までのスケジュールを立てる計画性などが必要です。

非認知スキルが身についていると自然と学ぶ姿勢が身に付き、学力・知力も上昇していくという正のスパイラルを生みます。

 

非認知スキルを高める方法

では非認知スキルを高めるためにはどうすればよいのでしょうか?

いくつかご紹介します。

結果よりもプロセス・姿勢を褒める

「1番になってえらい!」「良い点を取った!」という結果を褒めるのではなく、「1番になるためにたくさん努力した!」「良い点を取るために遊びを我慢してよく頑張った!」という風にやり抜く力や自制心を発揮したプロセス・姿勢にフォーカスしてあげましょう。

親も子どもも目に見えて分かりやすい結果に注目しがちですが、その過程について褒めてあげることで、子どもはさらに伸びていきます。

 

絵本を読む

親と一緒に絵本を読むことで想像力が高まります。

読み聞かせの途中で質問をしてみるのもよいでしょう。

子どもの想像力をさらに掻き立てますし、自分の考えを表現することで表現力も身に付きます。

 

失敗体験をさせる

敢えて失敗させる必要はありませんが、子どもが挫折した時、落ち込んだ時にはそこから立ち上がる過程が大事だと教えてあげましょう。

子どもの失敗を防ぐために親が前に前に出てくる家庭もありますが、結果は重要ではありません。

成功しようが失敗しようがその過程を褒めてあげるべきですし、失敗から立ち上がる過程を励ましてあげるべきでしょう。

挫折から立ち上がることができないようでは社会ではやっていけません。

挫折から立ち上がる回復力を育ててあげましょう。

 

他にも一緒に料理をしたり、 おもちゃを組み立てたり、非認知スキルを高める方法はいくらでもあります。

ポイントは子どもが主体的に意欲をもって取り組めることです。

親のやり方を押し付けずに子どもの自由な発想で取り組めるようにサポートしてあげましょう。

 

社会に出ると学力・知力が役に立たないことの方が多いです。

自分の子どもに社会で成功してもらいたいなら、非認知スキルを育てましょう。

 

Riki