薬はお茶やジュースで飲んではいけない?
「お薬なんて胃の中に入ってしまえば、他の飲食物と混ざるから何と飲んでも同じ」と思っている方もいると思います。
しかし、それは大きな間違いです。
思わぬ副作用がでたり、十分な効果がでない可能性があります。
今回は「なぜ薬を水で飲まないといけないか?」をご説明します。
薬は基本的に水か白湯で飲むべき
錠剤や粉薬を飲むときは基本的に水か白湯で飲むことを心がけましょう。
薬を飲んだ時に周りに水があると、薬の有効成分が溶け出しやすくなります。
医薬品メーカーも水を一緒に飲むことを推奨していますし、その場合を想定して安全性を担保しています。
では、水以外で飲んだ場合 、どういった影響があるのでしょうか?
お茶の場合
お茶は特に影響がないと言われています。
麦茶、緑茶、ウーロン茶などほとんどのお茶が大丈夫です。
かつては貧血治療で用いられる鉄剤がお茶のタンニンと結合して、体内に吸収され辛くなると言われていました。
しかし、貧血治療に用いられる薬に含まれる鉄剤は非常に多く、また貧血の状態では鉄剤の吸収力も高まっていることから、ほとんど影響はないことが分かってきています。
よって、薬をお茶で飲むことはさほど影響はないと言えます。
ジュースの場合
ほとんどの薬は影響ありませんが、高血圧の薬とグレープフルーツジュースの組み合わせには注意が必要です。
高血圧の薬によく用いられるカルシウム拮抗薬は肝臓の酵素で代謝されます。
しかし、グレープフルーツジュースに含まれる物質はこの代謝を阻害する働きがあります。
それによって、薬が体内に長く留まり、必要以上に強い効果が表れてしまう可能性があります。
また、最近ではグレープフルーツジュースとアレルギー専用鼻炎薬「アレグラFX」の組み合わせで副作用が報告されています。
一緒に飲むと効果が低下する可能性があります。
これから辛い花粉症の時期が続きます。
アレルギー症状を和らげるために飲んだのに、効果が半減しては元も子もありませんので注意しましょう。
牛乳の場合
薬の中には、牛乳に含まれているカルシウムと結合して効果が半減してしまうものがあるので注意が必要です。
また、牛乳はアルカリ性ですので胃酸を中和する働きがあります。
胃腸薬のように腸に入ってから効果を発揮すべき薬は、胃酸から守られるようにコーティングが施されています。
しかし、牛乳によって胃酸が中和され胃の酸性濃度が低くなってしまうと、胃腸薬のコーティングが剥がれてしまう可能性があります。
アルコールの場合
アルコールは薬の作用に様々な影響を及ぼしますから、絶対に避けましょう。
薬の効果が半減してしまう場合もあれば、効きすぎる場合もあります。
組み合わせによっては命に関わる重篤な副作用が生じることもありますので、特に注意が必要です。
水なしの場合
水なしでそのまま飲む方もいらっしゃると思います。
しかし、これは危険です。
大前提として薬は水で溶かして吸収を促す必要があります。
ですでの、そのまま水なしで飲むと完全に体内に吸収されないまま排泄されてしまうこともあります。
また、薬が食道に引っかかったまま溶け出し、炎症を起こして潰瘍になってしまうこともあります。
粉薬であればそのまま気管に入ってしまい、肺炎を起こしてしまうこともあり得ます。
喉は唾液等で薬が引っかかりやすい構造になっています。
思わぬ副作用を引き起こしてしまう可能性があるので注意しましょう。
4・5・6月の残業代や手当で収入が増えると損?社会保険料の仕組みについて。
サラリーマンであれば毎月給与明細を貰います。
額面からは所得税・住民税・健康保険料・厚生年金保険料など多額の税金と社会保険料が引かれます。
このうち、健康保険料と厚生年金保険料がいわゆる社会保険料に該当します。
そして、この社会保険料は4・5・6月の給与をもとに算出されていることはご存知でしょうか?
- 4・5・6月の給与で1年間の社会保険料が決まる
- 4・5・6月に残業代や手当が増えるとどれくらい社会保険料が上がるの?
- 社会保険料の算定には交通費や各種手当も含まれる
- 社会保険料を多く払うことのメリット
4・5・6月の給与で1年間の社会保険料が決まる
社会保険料は4・5・6月の給与の平均額をもとに「標準報酬月額」を決めて算出します。
この標準報酬月額に応じて、厚生年金であれば31等級、健康保険であれば50等級までの区分があり、等級に応じて社会保険料が決定されます。
そして、この標準報酬には基本給、残業代、各種手当など労務の対価として受け取るもの一切が含まれます。
社会保険料の等級が決まれば、その後9月から翌年8月まで1年間その等級が利用されます。
つまり、4・5・6月の給与が多ければそれだけ社会保険料も高くなるという仕組みです。
4・5・6月に残業代や手当が増えるとどれくらい社会保険料が上がるの?
月額の給与が30万円の人が4・5・6月に月3万円分の残業代を貰うケースを考えてみましょう。
厚生年金は一般の被保険者で18.182%です。
これを労使折半しますので、実質の負担は9.091%です。
健康保険料は加入している健康保険によって異なりますが、分かりやすく10%としましょう。
これも労使折半で実質の負担は5.0%です。
これらを前提にして計算すると以下のようになります。
<4・5・6月の給与が30万円であった場合>
厚生年金保険料:27,273円
健康保険料:15,000円
社会保険料合計:42,273円
<月3万円の残業代を含めて4・5・6月の給与が33万円であった場合>
厚生年金保険料:30,909円
健康保険料:17,000円
社会保険料合計:47,909円
4・5・6月に月3万円の残業代がある場合、月々の社会保険料が約5,600円増加します。
年間で約67,600円の増加です。
もし、この残業代が7・8・9月の給与であった場合、保険料には何の影響もなかったことになります。
4・5・6月に支給される残業代には注意が必要です。
社会保険料の算定には交通費や各種手当も含まれる
すでに述べましたが、社会保険料の算定基準となる標準報酬は「労務の対価として受け取るもの」すべてが含まれます。
つまり、通勤手当や家族手当などもすべて含まれます。
遠方からの通勤で通勤手当が多い方、家族が多く家族手当を多く貰っている方などは他の方と比較して社会保険料が高くなります。
極端な例をご紹介します。
- 基本給が月額20万円、交通費が月額10万円の人
- 基本給が月額30万円、交通費は0円の人
この二人の標準報酬月額は同じ30万円と見なされ、社会保険料は同額になります。
しかし、交通費10万円をもらっている人が明らかに損なのはお分かりかと思います。
これは、勤務地までの距離や通勤方法によって社会保険料が変わるということを意味しています。
不公平な話かもしれませんが、これが社会保険料算定のルールです。
社会保険料を多く払うことのメリット
4・5・6月の残業代や手当によって標準報酬の等級が上がり、社会保険料の負担が大きくなることを理解頂けたかと思います。
しかし、悪いことばかりではなくメリットもあります。
社会保険料を多く納めるわけですから、将来の年金や万が一のときの保証メリットがあります。
長い目で見れば決して損ということではありません。
これからの3・4・5月は年度末、年度初めという事で忙しいサラリーマンも多いと思います。
給与は月末締めの翌月払いという会社が多いと思いますので、あまりに残業をし過ぎると 4・5・6月の給与が増えて社会保険料に反映されてしまいます。
早く帰ることをおすすめします。
税金、取られすぎていませんか?確定申告で取り返せるかも。
確定申告の時期です。
住宅を購入された方、多額の医療費がかかった方などは確定申告をされると思います。
しかし、「確定申告で取り返せるお金」は他にもあることをご存知でしょうか?
今回は、知っていると得をする確定申告でお金を取り返す方法をご紹介します。
自然災害や盗難にあった場合も税金が戻ってくる
台風や地震などの災害、あるいは泥棒に入られた等のトラブルで損害を受けた場合、雑損控除の対象になります。
雑損控除は下記計算で1,2のどちらか多い方が適用されます。
雑損控除額=
1.損失額(損害金額+災害関連支出)- 保険金等による補填金額 - その年の所得の10%
2.災害関連支出 - 5万円
損害を受けた人の所得が400万円、損害金額が500万円、災害関連支出が10万円、保険金による補填が100万円のケースを考えてみましょう。
この場合の雑損控除は上記の1に基づくと、
(500万円 + 10万円) - 100万円 - (400万円 × 10%) = 370万円
となります。
つまり370万円もの雑損控除を受けることができます。
災害や盗難に遭ってしまうと金銭的にも心理的にも負担が大きいものです。
そういった時に使える雑損控除はとても有難い制度です。
雑損控除の対象は?
具体的に対象になる災害、トラブルをご説明します。
まずは自然災害です。
震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象による災害が該当します。
続いて盗難も対象になります。
しかし、盗難されたものがすべて対象になるわけではありません。
生活に通常必要な資産に限られます。
具体的には、30万円以下の貴金属、衣服などが該当します。逆に30万円を超える貴金属や船舶など通常の生活に必要ないと見なされるものは雑損控除の対象にはなりません。
また、詐欺や恐喝で金銭を盗まれても対象になりません。
詐欺や恐喝は自然災害とは異なり、完全な不可抗力ではありません。
相手から持ち掛けられた話に対して、少なからず自分の意志で契約したり金銭を支払っているわけですから、雑損控除の対象にはなりません。
意外と幅広い医療費控除の対象
年間で支払った医療費が10万円を超えた場合、医療費控除が 使えることはよくご存じかと思います。
この医療費控除ですが、病気の治療以外でも対象となるものが結構あります。
歯科矯正費
医療費控除は病気の「治療」を目的として支払った費用を控除するものです。
よって予防接種など「予防」を目的として支払った費用は対象外です。
同様に、歯科矯正についても治療が目的ではないので医療費控除の対象にはならないと勘違いしている方がおられます。
しかし、歯科矯正も治療と見なされるケースがあります。
例えば、子どもの矯正は正常な成長を阻害しないための治療となりますので、医療費控除の対象になります。
大人も同様に矯正の専門医が治療として矯正が必要だと判断すれば、控除の対象になります。
しかし、単純に美容を目的とした矯正であれば控除の対象外となります。
市販の医薬品
市販の風邪薬などを購入し、その購入額の合計が年間で12,000円を超えた場合、超えた金額分が所得控除される制度(セルフメディケーション税制)です。
ドラッグストア等で説明を受けた人もいるのではないでしょうか?
領収書ではなくレシートさえあれば確定申告できますので、ドラッグストア等で医薬品を購入した場合には大切に保管しておきましょう。
人間ドック等の健康診断費用
人間ドックや健康診断の費用は原則医療費控除の対象にはなりません。
しかし、その検査で病気が発見され、治療を行った場合は人間ドックの費用なども医療費控除の対象として含まれます。
意外と見逃す方が多いので注意しましょう。
病院に行く交通費
病気治療のために病院に行くためには交通費がかかります。
この交通費も医療費控除が可能です。
しかし、対象は基本的には公共交通機関に限られます。
タクシーや自家用車のガソリン代は原則対象外となります。
※タクシー等を使わざるを得ないやむを得ない事情がある場合は例外的に認められます。
なお、公共交通機関の利用を証明するためにわざわざ領収書をもらう必要はありません。
確定申告の際にネット等で交通費を調べて、申告すればそれでOKです。
また、 交通費は基本的に患者本人のものに限られますが、小さいお子さんの付き添いなどであれば、付き添い人の交通費も対象となります。
還付申告は過去5年分まで遡れる
確定申告は原則翌年の2月16日から3月15日までですが、還付申告は翌年1月1日から5年間可能です。
つまり、5年前まで遡って還付申告できるということです。
雑損控除や医療費控除においてうっかり申告忘れがあれば、 まだ間に合うかもしれません。
黙っていては税金は取られ放題です。
しっかり取り返しましょう。
実家の相続。兄弟で揉めない分割方法は?
前回に引き続き相続の話です。
前回、相続した実家が空き家であれば早めに売却するのがよいとご紹介しました。
しかし、実際には売却する前に相続人同士の話し合いが必要です。
話し合いの結果、売却することもあれば、相続人の誰かが実家に住むなど、複数の相続パターンが発生します。
今回は実家の相続について、兄弟間で揉めずに公平に分割するための情報をご紹介します。
実家の相続は4通り
実家を相続し、兄弟で分割する方法は4通りです。
それぞれにメリットデメリットがありますので、自分の家族にとって最適な分割方法を選択しましょう。
換価分割
一つ目は読んで字の如く、実家を売却して現金に換えた上で分割する方法です。
実家は分割しにくい財産の代表格です。
しかし、現金に換えてしまえば分割もシンプルになります。あとは不公平感がないようにそれぞれの取り分を話し合うだけです。
ただし、デメリットもあります。
思い出のある実家を手放すという点と、すぐに希望通りの価格で売却できるとは限らないという点です。
また、売却で得た利益次第では、譲渡所得税を支払う必要もあります。
とはいえ、実家に今後住むことがないのであれば、最もおすすめの分割方法です。
代償分割
二つ目は代償分割です。初めて聞く方も多いと思います。
相続人の一人が実家を相続し、残りの相続人に対して相続分に相当する金銭(代償金)を支払う方法です。
例えば、兄弟が5,000万円の実家を相続するケースです。
代償分割では、兄が5,000万円の実家を相続し、兄が弟に対して相続分の2,500万円の代償金を支払います。
そして、この2,500万円はどうやって支払うかと言うと、兄の預貯金などから支払うことになります。
しかし、2,500万円を一括で支払えるような家庭は多くありません。
代償分割で実家を相続し、代償金を払う予定のある方は予め貯金しておくなど準備が必要です。
一括で支払いができない場合は分割で将来にわたって払うこともありますが、支払いが滞るなどした場合、兄弟間の揉め事に発展するケースもあります。
代償分割は思い出のある実家を残し、かつ公平に相続できるという点が最大のメリットです。
ただし、代償分割を選択する際には事前に代償金の支払いについて兄弟間で話し合いましょう。
共同名義
三つ目は実家を相続人で共同名義にする方法です。
相続人が兄弟二人であれば、二人で50%ずつの所有割合で登記を行い、共同保有する方法です。
実家を残し、かつ公平に相続できます。
一見、非常に良い分割方法にも思えますが、不動産の相続において最もおすすめできない方法です。
共有名義にした場合、「売却したい」「増改築をしたい」という場合には共同名義の全員の合意が必要となり、話がまとまらないケースが多いです。
共同名義人が子どもたちだけであれば、話はスムーズにまとまるかもしれません。
しかし、相続した子どもが亡くなった場合、子どもの配偶者や孫たちが相続することになります。
つまり、ねずみ算式に名義人が増えていくのです。
こうなると、誰が名義人なのか把握することは難しく、売却や増改築をするために全員の合意を得ることは簡単ではありません。
近年、空き家問題が増加していますが、その背景にはこういった事情も一部影響しています。
現物分割
最後は現物分割です。
実家そのものを物理的に分割する方法です。
しかし、実際には一軒家を物理的に分割することができないため、ほとんど使われることのない相続方法です。
敷地内に2棟の建物があれば、兄弟で1棟ずつ分割できますが、稀なケースでしょう。
実家に子どもが住み続けていると相続税が安くなる
実家の相続方法を考える上で押さえておくべき重要なポイントがあります。
それは被相続人の妻や子どもなど親族が同居しており、今後も住み続ける場合、相続税の評価額を80%減額するという制度です。
特定居住用宅地の特例と言われる制度です。
母が亡くなり、同居していた兄、遠方に住む弟で実家を相続ケースを考えてみましょう。
土地が7,000万円、建物が500万円で合計7,500万円の相続だとします。
まず、相続税には基礎控除があり、3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円が控除されます。
よって、控除し切れない3,300万円分については相続税が発生します。
しかし、特定居住用宅地の特例が適用されると7,000万円の土地評価額が80%減額されて、1,400万円となり、建物500万円と合わせて1,900万円の相続となります。
この場合、換価分割を選んで実家を売却してしまうと相続税が発生しますが、代償分割を選んで兄が住み続ける場合は相続税は発生しません。
相続税という観点からすると代償分割を選択した方が得でしょう。
しかし、その場合は兄が弟に代償金を支払う必要が出てきますので、取り分をどうするか兄弟間でしっかり話し合うことが大事です。
相続に関する話は親兄弟ではしにくいものですが、遅かれ早かれ現実になります。
自分の兄弟に限って揉め事はないと思っている人が大多数だと思いますが、いざ現実になってみたら大揉めなんてこともあり得ます。
兄弟間で事前に話し合いを持ち、相続の意思確認をする、ルールを決めるなどしておくことをおすすめします。
田舎の実家を相続。すぐに売却すべき?
田舎の両親が亡くなったら実家はどうされますか?
実家に戻って住むという方にとってはそれほど難しい問題ではありません。
しかし、遠方ですでに生活基盤がある場合や、マンションや戸建てを所有している場合には難しい選択を迫られます。
今回は田舎の実家の相続問題についてご紹介したいと思います。
相続した田舎の実家はなるべく早くに売却すべき。
住むつもりがなく、持て余すようであれば速やかに売却することをおすすめします。
賃貸収入が見込めるのでれば、賃貸もよいですが、田舎の家に賃貸需要があることはそうそうありません。
面倒だからと言って売却せずに放置していた場合、老朽化も一気に進みます。
そのせいで、いざ売却しようとした時には買い手が見つからないということもあり得ます。
さらに、住まずに放置しているだけでもコストはかかります。
固定資産税はもちろん、必要に応じて火災保険にも入るでしょうし、年に数回訪れるのであれば水道や電気も契約したままになります。
放置しておくだけでも年間数十万円の費用がかかります。
もし今後住む予定がないというのであれば、売れるうちに売却しましょう。
思い出のある実家を残したい、相続で揉めているといった理由で売却ができないでいると、後々後悔することになります。
そもそも田舎の実家を購入してくれる人はいるのか?
なるべく早くに売却することが良いとはいえ、住むこともできず、賃貸にも活用できない家を購入してくれる人はなかなかいません。
早期に売却するために以下の点に気を付けましょう。
譲渡益で儲けようと思わないこと
人間ですから誰しもが譲渡益で儲けたいと考えると思います。
しかし、田舎の家は需要も少なく、売却して十分な利益が出ることは少ないでしょう。
もし売れない期間が続くようであれば、利益にこだわらずに金額を下げましょう。
極端ですが「タダでも貰ってくれれば有難い」という気概で売却に臨むことが大事です。
誰も買ってくれなければ、コストが積み上がり、それだけで損です。
不動産会社からの直接買い取りも検討する
前述のとおり、田舎の家を探している一般消費者はなかなかいません。
売れない期間が長く続くことも十分あり得ます。
その場合は、不動産会社に直接売却することも考えましょう。
通常は不動産会社を仲介して売却するのが一般的で、その方が高値で売却できます。
価格面で妥協が必要ですが、確実に売却することができますので検討してみてください。
空き家を3年以内に売却すれば3,000万円の特別控除がある
空き家問題は全国でも増加傾向にあります。
この空き家問題に対応すべく「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」が施行されています。
相続した日から3年が経過する日の属する年の12月31日までに空き家を譲渡すれば、譲渡所得に対して3,000万円の特別控除が得られます。
譲渡所得は下記の方法で計算されます。
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費+譲渡費用)
※1. 取得費が不明である場合、売却価格の5%を取得費とします。
※2. 譲渡費用とは、売買に関わる仲介手数料や測量費などの費用のことです。
よって、通常支払う税金は下記の計算となります。
税金 = 譲渡所得 × 20.315%
※所得税15.315%+住民税5.0%で合計20.315%となります。
3,000万円の特別控除が受けられる場合、税金の計算が下記のように変わります。
税金 = (譲渡所得 - 3,000万円) × 20.315%
つまり、譲渡所得が3,000万円以下であれば税金はかからないという事になります。
また、譲渡所得が3,000万円以上になる場合でも大きな税額低減ができます。
本制度は平成31年12月31日までとなっています。
3年以内に相続した家があり、売却するかどうか悩んでいる方がいれば、税額低減が受けられるうちに売却することをおすすめします。
幼少期から金銭感覚を身に付けるメリットとは?FP父のお金の教育。
子どもに対してお金の教育をされていますか?
日本ではお金の話はタブー視されており、お金に執着しないことが美徳とされがちです。
とはいえ、世の中は資本主義で、世の中はお金が動くことで成り立っています。
働いて収入を得て、その収入から消費をして、貯蓄や投資もしています。
こうしたお金の動き、大切さを幼少期から学ぶことは、金銭感覚を養うだけでなく、様々な波及的メリットがあります。
今回は幼少期からお金教育をすることのメリットと我が家におけるお金の教育をご紹介します。
我が家は4歳からお小遣い制
お金の教育をするには実際にお金の管理を子どもに任せることが一番です。
我が家の長男は4歳の幼稚園児ですが、お小遣い制にしています。
お小遣いを始める前の長男はこんな子でした。
- お出かけのたびに玩具やお菓子をねだる
- せっかく買ってあげた玩具はすぐになくす
- お金はいくらでもあると思っている
これではいけないと思い、いつも玩具やお菓子は買えるわけではないこと、お金は無限にあるわけではないこと何度も説明しました。
しかし、幼少期の子どもに口だけで説明しても到底理解できるわけがありません。
そこで思い切ってお小遣い制にしてお金の管理を任せることにしました。
お小遣いをもらってすぐに使い切るのも良し、貯金して欲しいものを買うのも良し。
自分でやり繰りすることでお金の使い方、大切さを学んでもらおうという事です。
そして、4歳の誕生日を機にお小遣い制を導入しました。
お小遣い制を始めてからの変化
お小遣い制を始める前に子どもによく言い聞かせました。
「これまでは欲しいものをお父さんとお母さんが買ってあげてたけど、これからはお小遣いあげる。欲しいものがあれば、お小遣いを使って買いなさい。」
思いの外、長男はお小遣い制がうれしかったようです。
自分の財布を用意して、置き場所もしっかりと決めて、お金を管理するという考えがさっそく芽生えました。
ちなみに、我が家では毎週お小遣い日を設けています。
4歳児にとって月に1回のお小遣いは少しスパンが長いと思ったのと、最初のうちはお金を使う&貯めるという行動をなるべく短いスパンで経験させたいと思ったからです。
足し算、引き算など計算の概念を覚える
親からお小遣いをもらう以前に祖父母や親戚からもらったお小遣いがあったので、財布には小銭が何枚か入っていました。
「100円玉が2枚で200円」「10円玉と100円玉で110円」などと教えてあげると、興味を持ったようで色々な組み合わせを試していました。
100円の足し算はできませんが、10円の足し算程度なら少しはできるようになりました。
また、初めて自分のお小遣いで玩具を買った時、お釣りを貰って戸惑っていました。
でも、もう少し大きくなれば、引き算の概念が理解できるようになるでしょう。
我慢する力が自然と身につく
お小遣いを始めた当初から長男は欲しい物を決めていました。
しかし、所持金が少し足りませんでした。
長男が
「いくら足りないの?」
と聞くので
「お小遣い2回分足りないね。2週間待とうか。」
と答えました。
4歳児にとって2週間は長かったと思います。
しかし、玩具を買うという目的を達成するために長男は2週間しっかり我慢をできました。
今までであれば、「何で買ってくれないの?」「これがダメならあれは買える?」というやり取りがありましたが、自分のお金で買うという意識が芽生えたおかげでそういった不毛なやり取りは随分と減りました。
そして、自分で買った玩具を大切にしている姿を見ると親としてもうれしいものです。
欲しいもの、必要なものを区別する力がつく
お小遣いは限られていますから、本当に欲しいもの・必要なものを自然と考えるようになります。
例えば、デパートにあるガチャガチャを見れば、面白そうだからやりたいとなるのはごく自然なことです。
そういった時に親が間に入って問いかけてあげましょう。
「それは本当に欲しいもの?必要なもの?」
問いかけに対して考えることで、子どもの金銭感覚は磨かれていきます。
逆に、そこまで欲しくないけどその場の勢いで買ってしまったという失敗をすることもあると思います。
しかし、無駄遣いをしてしまって本当に欲しいものが買えなくなれば後悔するでしょう。
「本当に欲しいかどうか?必要かどうか?」を考えることの大切さを学ぶ良い経験です。
お小遣い制の注意点
一番大事なことは親がお小遣い制のルールをしっかり守ることです。
週に1回あげるという時間的なルールだけでなく、お勉強や習い事に関するものはお小遣いじゃなくて親が買う、あるいはお菓子ばかり買わないとか、家庭の方針によって予め決めましょう。
そしてそのルールは子どもにしっかり理解させましょう。
お小遣いと言えど、子どもにとっては大事な収入であり、家計の一つです。
親が曖昧なルールでお小遣いをあげていては、せっかく芽生え始めた子どもの金銭感覚も育ちません。
お金で買えない幸せも教えること
自分でお金を使うことで、子どもは初めてお金の価値や大切さを理解し始めます。
しかし、同時にお金では買えないものもあることをしっかり教えましょう。
これも大事なお金の教育の一つです。
長男に
「お金がいっぱいあって欲しいものも色々買えるけど、お父さんとお母さんがずっと家にいなかったらどう思う?」
と聞くと、しばらく考えて
「それはいや。」
と返答しました。
「じゃあ家族で一緒にいる時間はお金で買える?」
と聞くと
「買えない。でもお父さん、お母さん、弟とみんなずっと一緒にいたい」
と答えました。
小さいながらもお金で買えない幸せがあることを理解していて親として嬉しかったのを覚えています。
しかしながら、実際問題お金はとても大事です。
一定の幸せはお金で買えることも事実ですから。
とはいえ、お金がいっぱいあっても苦労している人もいますし、逆にお金がなくても幸せな生活を送っている人もいます。
お金の教育をするということは、お金の使い方あるいは稼ぎ方を教えることがゴールではありません。
お金を上手に管理して、自分や家族の生活を豊かにする、友人との良い関係を作る、といった事を伝えるのが何よりも大切だと考えます。
退職 or 失業!健康保険や失業保険の手続きをまとめました。
退職あるいは失業した時、多少なりとも金銭面の不安に駆られるものです。
同時に、健康保険や失業保険の手続きについても悩まれる方が多いのではないでしょうか?
今回は退職・失業した時の健康保険や失業保険の手続きをまとめてご紹介します。
- 退職後の健康保険の選び方は3パターン
- 失業保険を貰うための手続きは?
- 自己都合退職か会社都合退職で失業保険の給付条件は異なる
- 失業の理由によっては国民健康保険料が安くなる
- 退職・失業に伴う年収減で住民税が安くなるかも?
退職後の健康保険の選び方は3パターン
退職後、何もしなければ健康保険未加入者となります。
日本は国民皆保険の国ですから必ず健康保険に加入する必要があります。
また、病気や怪我にいつ何時見舞われるかもわかりませんので、退職後は一刻も早く健康保険に加入しましょう。
健康保険の加入にあたっては下記の3パターンがあります。
1.国民健康保険に加入
まずは誰でも入れる国民健康保険です。
国民健康保険の保険料は前年の所得に基づいて計算されます。
お住いの地域によって計算方法も異なりますので、具体的な金額を知りたい方は市町村にお問い合わせするとよいでしょう。
ただし、加入にあたっては退職後14日以内に市町村の窓口で申請する必要があります。
2.任意継続被保険者になる
退職しても、任意継続被保険者として同じ健康保険に加入し続けることができます。
条件としては、継続して2カ月以上の被保険者期間があることです。
任意継続被保険者となる場合、会社に在籍していた時は労使で保険料を折半していましたから、単純計算で保険料は会社員時代の倍になります。
とはいえ、保険料には上限が設けられていますのでご安心ください。
※上限の計算は説明がややこしいので割愛させてください。
なお、退職日から20日以内に継続申請をする必要がありますのでご注意ください。
3.家族が加入している健康保険の被扶養者となる
最後に、配偶者や家族が加入している健康保険の被扶養者になる方法です。
被扶養者になると、保険料の負担は必要ありません。
ですので、もし家族の健康保険の被扶養者になれるのであれば、これを第一優先に考えましょう。
ただし、失業保険による収入が年間130万円以上ある場合、被扶養者とはなれません。
その場合は国民健康保険もしくは任意継続を検討しましょう。
失業保険を貰うための手続きは?
健康保険に加えて、失業保険の手続きも重要です。
時系列で説明していきますので、不備がないようにしっかり準備しましょう。
失業保険の対象者
まず、失業保険を受給できる対象者ですが、下記2点に該当する方となります。
1.働ける状態で就職しようとする意志があること
2.離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あること
※ただし、リストラや倒産などでやむを得ず退職する場合、離職日以前1年間に6カ月以上の被保険者期間があれば対象となります。
受給手続きに必要な書類
以下の書類が必要となります。
離職票に関しては、退職後に会社から提供されますので特に申請手続きはいりません。
ただし、会社によっては退職者が依頼しないと貰えないケースもありますので、退職時に総務などの管轄部門に念押ししておくのがベターでしょう。
ハローワークでの申請
必要書類をもってお住まいの自治体のハローワークへ行き、求職の申し込みを行います。
その際に離職票を提出し、失業保険の受給資格を判定してもらいます。
無事に受給資格が認められれば、失業保険の受給説明会の日時が伝えられます。
会場はハローワークになりますので、指定された日時にハローワークで説明を受けましょう。
受給説明会の流れ
指定された日時・場所で受給説明会を受ければ、 雇用保険受給者資格票と失業認定申告書が渡され、次回ハローワークに来る日時が決定します。
自己都合退職の方は3ヶ月後、会社都合退職の方は1ヶ月後が目安となります。
その間に求職活動を月に1回以上行い、失業認定申告書に記入しておく必要があります。
失業認定を受ける
指定された日時に再びハローワークに行き、失業認定申告書を提出することで、第1回目の失業認定を受けることができます。
失業認定を受けることで正式な失業保険の受給者とみなされ、受給資格を得ることになります。
失業保険の給付金を受け取る
失業認定を受けてから5営業日程度で指定口座に給付金が振り込まれます。
同様の流れで、就職が決まるまで、あるいは給付日数の上限に到達するまで月1回の失業認定日に申告書を提出することで、給付金を受け取ることができます。
自己都合退職か会社都合退職で失業保険の給付条件は異なる
自己都合退職の場合、失業保険が給付されるまでに3ヵ月間の給付制限期間が設けられます。
つまり、失業保険の給付日数が短くなってしまいます。
具体的な違いは以下の記事でもご説明していますので興味のある方はぜひ読んでみてください。
また以下の記事では、出産や育児を理由に自己都合で退職した場合でも、会社都合退職として失業保険が貰える制度もご紹介しています。
失業の理由によっては国民健康保険料が安くなる
さらに、会社の倒産や解雇などいわゆる会社都合で退職をした場合には、国民健康保険の減免が受けられます。
ざっくりと1/3くらいの保険料になると思います。
なお、適用期間は離職日の翌日の月から翌年度末までです。
該当する方は忘れずに市町村に申請しましょう。
退職・失業に伴う年収減で住民税が安くなるかも?
前年に比べて大きく年収が減少した場合、今年度支払うべき住民税が減免される可能性があります。
減免の条件はお住いの自治体によって異なります。
以下の記事をご参考にしていただき、「該当するかも?」という方はお住いの市税課に問い合わせしてみましょう。
以上、失業・退職をした時に最低限すべき健康保険と失業保険の手続きでした。
ご紹介したように、退職・失業した後は国民健康保険料の減免や住民税の減免などの救済措置が用意されています。
役所はこういった情報を積極的に発信していません。
自ら問い合わせして、貰えるものはしっかり貰いましょう。