スマホを使って自宅で診療!便利なオンライン診療とは?
スマートフォンの普及によって、いつでもどこでもビデオ通話ができるようになりました。
実は医療の現場でもビデオ通話を使ったサービスが普及しつつあります。
2018年4月から、ビデオ通話機能を使ったオンライン診療が保険適用になりました。
今回はオンライン診療のメリットや将来性についてご紹介したいと思います。
オンライン診療とは?
オンライン診療とは、その名の通り、スマホやパソコンのビデオ通話機能を使って、医師が患者を診療することを言います。
従来は遠隔診療と呼ばれ、僻地や過疎地を対象として開始されました。
これが2015年には、「僻地や過疎地には限定されない」と解釈できる通達が厚労省からなされました。
これ以後、ビデオ通話機能を使った診療サービス開発を行うIT企業が増え、システムを導入した医療機関においてはオンライン診療が受けられるようになりました。
そして18年4月、糖尿病や慢性疾患など継続的な治療が必要となる慢性疾患を対象に保険適用となりました。
保険適用となるオンライン診療
オンライン診療で保険適用となる疾患は主に糖尿病、高血圧、不整脈、喘息などです。
生活習慣病の患者は働き盛りの方も多く、仕事を休んで通院するのが難しい方も多いと思います。
隙間時間でスマホを使って手軽にオンラインで診療が受けられれば非常に助かるでしょう。
また、子どもの喘息などは親も付き添って通院する必要があります。
小さい子どもを連れて病院に行く負担が軽減できるメリットもあります。
保険適用の範囲は今後広がるか?
保険適用がされたものの、対象疾患はかなり限定されています。
今回の診療報酬改定では、アトピー性皮膚炎などは対象に入っていません。
わが子もそうですが、症状が安定しているアトピー患者であれば、継続的に保湿剤や塗り薬を出す程度です。
通院も手間ですし、病院での待ち時間もありますので、ぜひ保険対象に加えて欲しいものです。
しかし、最初から対象を広げすぎて医療費が増えたり、健康被害や誤診が生じても問題です。
限定的な疾患から評価を始め、少しずつ対象を広げていく必要性があると思います。
処方箋や薬の受け取りはどうするのか?
オンライン診療で通院の負担が減ったとしても、まだ課題は残っています。
それは処方箋を受け取るまでの時間、薬を薬局まで取りに行く手間です。
現在のオンライン診療では、診察の後1~2日で処方箋が到着し、最寄りの薬局まで薬を取りに行き、薬剤師の服薬指導を受ける必要があります。
薬が切れていてもすぐに入手することはできませんし、高齢者や在宅療養者にとっては薬局まで出向くことは大きな負担です。
院内処方している病院であれば、宅配で薬を受け取ることができるようですが、最近では多くの病院が院外処方になっています。
2020年を目途に処方箋、薬が自宅で入手可能となる方向
この課題に対し、2018年12月頃に厚労省は2020年を目途に自宅にいながら処方薬を入手できる仕組みをつくる方針を固めました。
診療から薬までの一貫した在宅医療は7月から愛知県、福岡市など国家戦略特区の一部で開始されていますが、今後は全国に広がっていくようです。
処方箋は電子化され、薬剤師による服薬指導をスマホやパソコンのビデオ通話で受けた後、薬が自宅に郵送される仕組みです。
在宅医療が増えるであろう高齢化社会においては、診療から薬までの一貫した在宅医療のニーズはますます高まるでしょう。
オンライン診療は小児医療を変える
今後、オンライン診療が力を発揮する分野として、小児医療が挙げられます。
ご存知の通り、小児科医は不足しており、お住まいの地域に小児科がないという方もいらっしゃいます。
また、特別な病気を抱えており、専門医のいる遠方にまで子どもを連れて診療に行かないといけないご家庭もあろうかと思います。
オンライン診療であれば、県内外を問わず自宅で診療が受けられます。
さらに、自宅で診療を受けることで病院での二次感染を防ぐことも可能です。
病気で辛い症状が出ている子どもをわざわざ連れて出かける必要がありませんので、子どももリラックスして診療を受けることができます。
ググってみると、オンライン診療を提供している小児科が結構見つかります。
現行の制度では、初回は対面診療などの制限があるかもしれませんが、ご興味のある方はぜひ調べてみてください。
セカンドオピニオンにも有効活用できる
オンライン診療はセカンドオピニオンにも非常だと思われます。
セカンドオピニオンを求めて、遠方から遥々有名病院にまで足を運ぶ患者さんもいます。
そういった患者さんにとって、オンライン診療は通院の負担を大きく減らすことが可能です。
オンライン診療の将来
今後は通信環境の整備がさらに進み、5G時代が到来します。
5Gによってより鮮明な画像、シームレスな動画の受け渡しが可能になります。
つまり、オンラインであってもより確実・正確に患者さんの状態を把握することが可能になります。
処方薬の配達においてはドローンなどが活用され、よりスピーディに配送されるようになるかもしれません。
アマゾンや楽天が登場し、スマホ1つで買い物が完結するようになったのと同じで、医療サービスについてもスマホ1つで完結する時代が近づいているかもしれません。