ブルーライトカットレンズは疲れ目に効果なし!?
パソコン、スマホ、タブレットが普及し、日常生活で液晶画面を見つめる時間が長くなっていることと思います。
疲れ目が気になり、ブルーライトカットレンズを付けている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、ブルーライトカットレンズが疲れ目に効果があるという医学的な根拠はありません。
今回はブルーライトが目に与える影響、ブルーライトカットレンズの効果についてご紹介します。
ブルーライトとは
ブルーライトとは、380~495nmの波長をもつ光でパソコン、スマホ、タブレット等の画面から発せられます。太陽光などにも含まれています。
ブルーライトは角膜や水晶体を通り抜けて、網膜に達する事が知られており、人体への影響が心配されています。
また、青は波長が短い光であり、強いエネルギーを持つとされます。
同様に波長が短く、強いエネルギーをもつ光として紫外線があり、人体に悪影響を与えることはよく知られています。
ゆえに「ブルーライトも人体に悪影響を与えるのではないか」というイメージが出来上がった可能性があります。
ブルーライトが特定の眼科疾患を引き起こした例はない
ブルーライトの有害性が取り上げられていますが、ブルーライトが原因で特定の疾患を引き起こしたことを示す研究は今のところありません。
ブルーライトが疲れ目や視力低下に繋がるという点についても未だ研究段階であり、悪影響があると言い切るには医学的根拠が乏しいのが現状です。
米国眼科学会による発表
これまでブルーライトが目に与える悪影響が取り沙汰されてきましたが、2018年8月に米国眼科学会が「ブルーライトは目を傷めない(失明を引き起こさない)」と宣言しました。
それまでの研究ではブルーライトを長時間浴びることで疾患を引き起こしたり、視力低下が引き起こされると考えられていました。
しかし、これらの研究は実際に人間の目を用いて実験されたものではなく、ブルーライトが人の目に本当に悪影響を与えるという事を示したものではありません。
パソコンやスマホを長時間みることで確かに眼精疲労は生じますが、これはブルーライトによる影響ではなく、長時間にわたって少ないまばたきで画面を見続けることが原因ではないかと言われています。
したがって、ブルーライトカットレンズを装着することによって疲れ目や視力低下を避けられるとは明確に言い切れないのです。
眼鏡屋さんで眼鏡を作った際にブルーライトカットレンズを勧められませんか?
医学的根拠が乏しいという理由で私は丁重にお断りしています。
ブルーライトのメリット・デメリット
人体に与える影響度はまだ明らかになっていないブルーライトですが、強いエネルギーをもち覚醒効果が高いことが知られています。
冒頭でも述べたように、ブルーライトは太陽光にも含まれていますので、朝起きて太陽の光を浴びることで効果的に目を覚ますことができます。
早起きでまだ薄暗い時間に起きるという方は部屋の照明を明るくするだけでも効果があります。
LEDには多くのブルーライトが含まれていますし、蛍光灯にもLEDほどではありませんがブルーライトが含まれています。
一方、この覚醒効果がマイナスに働くのが就寝時です。
就寝前にパソコンやスマホを使用することで、寝付きや睡眠の質が悪くなることが証明されています。
寝る前にパソコンやスマホを見るのであれば、ブルーライトカットレンズを利用する意味はありそうです。